石作家 千房輝の石ころアート
- 白いもの、赤いもの、黒いもの、
中には割れたガラスの角が丸くなったものもあった。
子供の頃、小さな石ころは空き箱に入れた大切な宝物だった。
あれから数十年、千房輝の石ころのオブジェに出会い、
忘れていた子供の頃のことを少しだけ思い出した。
いったいこの石は、いつ、どこで、どうやって出来たのだろう。
砂が固まり大きな岩になり、あるいは火山が噴火して大きな岩が出来て、
それが川や海に転がり、長い年月を経て今の形になったのだろう。
元の姿は想像もつかない。
そして、いずれは砂になり、消えてしまうはずだった石ころが、
たまたま、千房輝と出会いオブジェになった。
そして、たまたま、私の目の前にある。
オブジェの石ころを見ていると、壮大なスケールの自然の循環と
気の遠くなるような時の流れ、これまでの石ころの歴史、
そして今ここに在る偶然を感じる。
誕生したときからいずれはこうなる運命だったのだろう・・・
ふと、そんなことを考えてしまう。
この作品の石ころの未来は、いったいどうなっているのだろう。
いつかはまた循環の環の中に取り込まれ、消えてしまうのだろうか。
- 2013.11 Y.N
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