前略
一方、ウッドデッキを自分で作る方法もある。
妻の実家に、スロープ付きのウッドデッキを手作りした。
週末を利用し、延べ八日間で完成。
近所のホームセンターで材料をそろえ、費用は約十五万円だった。
最初は基礎の石を埋めるだけでまる一日かかったが、「少しずつ形になっていくのがうれしく、完成時の達成感は最高」と振り返る。
残った木材でバーベキュー用のテーブルなども製作、家族みんなで楽しんでいる。
後略
(記事より抜粋)
デッキ製作者の義父は車イス生活を送っている。
段差のある玄関からの出入りでは不便だろうと、家のリビングの窓から出入りできるように製作したのがこの作品だ。
「義父が気軽に散歩をできるように、車イスの人の視点になって作った」という言葉どおり、各所にていねいな仕事ぶりがうかがえる。
なかでも、スロープ部には細かな工夫が光る。
車イスを押す人が無理のないよう、傾斜をゆるやかにするのはもちろん、デッキに近いところには、手すり代わりにもなるフェンスをつける配慮もしてある。
スロープ部は、長さ2760×幅700mmあり、幅約60cmある車イスが通れるように、余裕をもった作り。
また車イスの脱輪防止用に、ガードがつけられているのだが、そこにもちょっとした工夫がしてある。
それは、固定しているボルトナットの頭が隠れる深さの穴を(ダボ穴のような)掘ったこと。
そのままボルトナットを差しこむと、スロープ部分にボルトの頭が飛びだしてしまい、車イスのタイヤがひっかかりやすくなってしまうのだが、この加工のおかげで、そんなトラブルもない。
重さがあるものが通るだけに、スロープには荷重に耐えられるよう、梁が入っている。
梁は、傾斜にあわせてカンナで削ってあり、スロープと垂直になるようにいれてあるのでかなり頑強。
十字状のパーゴラ、雨戸を隠すラティス、相欠きして組んだフェンス、バーベキューができるガーデンテーブルなど、各種造作もすてきにマッチした大作だ。
(記事より)